視点:イブキ
例の騒動から2週間ほど経った。
意図していたにしろしていなかったにしろ、『仮面ライダー部』の知名度は確実に上がった。なので、『体験入部とかしてみたいけどどこにあるのか分からない』という相談が万魔殿に殺到するようになった。
まあ無理もない。あれは初見で見つけられる方がすごいと思っている。
仮面ライダー部の部室は、月にあるラビットハッチを部室としている。じゃあいちいち飛んでるのか?という訳ではなく、部室棟にある、万魔殿所有の空き教室の右から■番目のロッカーの中がラビットハッチと繋がっているのだ。
ただ、2人の意向でノーコメントとしている。
先の騒動で何となく入りたいという人を入れていてはラビットハッチがもたないのだ。
ただ、寝歌が連れてきた人が1人。
ある日。
藤本と俺はいつものようにラビットハッチにいた。
俺と藤本は
万魔殿権限で特注したカウチに座ってMついを。
月でWiFi届くのかって?無理やり繋げた。リズありがとう。
隣ではアシッドが自身のドライバーの点検を。
それぞれが思い思いに過ごしていた、その時。ラビットハッチの扉が開いた。
俺「おっ、寝歌か?」
寝歌「仮入部希望連れてきたー」
藤本「おい、勝手に連れてくんな…え?」
2人「童!?」
寝歌に手を握られ、ラビットハッチを興味深そうに見回していたのは、寝歌の恋人、童だった。
俺は童を客人用1人ソファ(特注品)に座らせてから、
俺「童、お前、寝歌に強引に連れてこられたんだろ」
寝歌「失礼な!」
童「違う違う。」
寝歌「まあ流石にね?」
童「あの騒動の後、寝歌に勧誘されて。」
藤本「なんでそんな流れになったんだよ…」
童「ちょうど仮面ライダーに興味あったからちょうどいいかなって。」
俺「寝歌、ところでさ、」
そう俺が言いかけたところで、
寝歌「わかってる。ライダーでしょ?グリスがいいんだって。」
俺「Wait。それって、今からスクラッシュドライバー作れってこと?」
寝歌「そうだよ(肯定)」
俺はおもむろに懐からスマホを取りだして電話をかけた。
リズに嫌な顔された。
数時間して、ラビットハッチの扉が開いた。 リズだ。その手にはスクラッシュドライバーとロボットゼリーが。
リズ「はいこれ。急に言わないでよこんなこと。ビルドドライバーと同じ要領で作れたからよかったけど。」
俺「スンマセン。」
それを渡すと直ぐに帰っていった。
アシッドがいることは分かっていたらしいが、点検の邪魔をしないようにという判断だろう。
アシッドもリズが来ていたことに気づいてはいたらしいが、リズの思惑を読み取って無視を決め込むことにしたらしい。
俺は受け取ったばかりのそれらを童に渡した。
童はどこか申し訳なさそうにそれを受け取っていた。
寝歌「変身してみる?」
藤本「ここで?前にここ半壊したからダメに決まってんだろ。」
俺「その時は俺の創世の力があったから助かったけどね。」
童「どこから出てきたその創世の力」
寝歌「変身くらいはできるんじゃない?」
俺「まあ創世の力あるし多少はね?」
藤本「まあ…いいか」
寝歌「じゃあ早くやろ!早く早く!」
童「…よし」
童は、スクラッシュドライバーを見下ろし、右手でロボットスクラッシュゼリーを取り出す。
その後、ゼリーのキャップを捻り開け、ドライバーの上部スロットへと力強く突き刺すように装填する。
『ロボットゼリー!』
(システム音声と共に、待機音が鳴り始める)
童は前を見据え、静かだが熱を帯びた声で言い放つ。
「変身」
その言葉と同時に、右腕を大きく振りかぶり、ドライバーの右側に備わった巨大なレンチ型レバー(アクティベイトレンチ)をガコンッ!と勢いよく下まで押し下げる。
ドライバー内部のプレス機が作動し、装填されたゼリーパックを物理的に「グシャァッ!」と激しく押し潰す。
『潰れる!流れる!溢れ出る!』
激しいシステム音声が響き渡ると同時に、童の足元から黄金に光り輝くゼリー状の液体が噴出。
液体は童の周囲を囲むように、巨大な円筒形のビーカー(スナップライドビルダー)のホログラムを形成する。
ビーカーの底から、沸騰したように気泡を立てる黄金のゼリー液体が猛烈な勢いでせり上がり、一海の全身を首の高さまで沈み込ませる。
同時に、ビーカーの外部から無数の無骨なロボットアームが出現。ゼリーの中に隠れた一海の肉体に対し、黄金の装甲パーツとクリアパーツを次々とプレスするように押し当て、強引に組み上げていく。
『ロボットイン・グリス!』
装甲の装着が完了した瞬間、周囲を覆っていた巨大なビーカーと黄金のゼリーが一気に弾け飛ぶ。
『ブラァ!』
残ったゼリーの飛沫が蒸気(スチーム)となってプシューッ!と激しく吹き上がる中、その白煙を切り裂いて黄金の戦士が姿を現す。
黒のアンダースーツの上に、無骨ながらも美しいクリアイエローとメタリックゴールドの装甲を纏い、左肩にはロボットアーム型の意匠を備えた姿——仮面ライダーグリスの誕生である。
グリスは両手の手首を軽く打ち合わせ、首を「ゴキッ」と鳴らしながら、標的を指差して己の魂の言葉(決め台詞)を咆哮する。
「心火を燃やして……ぶっ潰す!!」
寝歌「」
バタッと音を立てて寝歌が倒れた。
童「寝歌!?」
童が変身を解除して寝歌に駆け寄る。
俺「あー、これは推しの2個同時摂取で尊みが限界値を超えて脳回路がショートしたな」
童「は?」
藤本「まあいつものことだわな(すっとぼけ)」
童「へ?(素っ頓狂)」
俺「治すからさ、あれ持ってきて」
藤本「おけ」
そして藤本が持ってきたのは、
童「あ、それドライブの…」
俺「そう、ベルトさん。意識はないけどね。」
俺は慣れた手つきでベルトさんを寝歌の腰に装着して、腕にシフトブレスを付けて、アドバンスイグニッションを起動。
俺が「マッドドクター!来い!」
と呼ぶとマッドドクターシフトカーが一目散に俺の手を目掛けてやってきた。
俺はそれをキャッチし、シフトブレスにそれをセットして、
『フルスロットル!ドクター!』
寝歌「痛ったあああああああああい!!!」
俺「はい治療完了。」
童「えぇ…(困惑)荒療治すぎない?」
俺「リプログラミングでバグスターにされるよりかましだろ」
童「ガワだけじゃなくて思想も檀黎斗に染まってきてない!?」
俺「ま痛みでしばらく動けんやろうから保健室持っていっといて。」
童「俺?」
俺「うん。だって俺万魔殿の用事あるし。そのついでに入部届も出しに行き。」
童「わかった…寝歌、バイク乗れそう?」
寝歌「無理だからおぶって(大根芝居)」
童「もう仕方ないなあ」
寝歌「やったね」
童「仕方ないから車借りて行きますね」
俺「俺GTR使うからトライドロン使っといて」
童「わかりました。じゃ、」
童を見送った俺たちは、
俺「よし。童がラビットハッチに来るとは思わなかったが、ひとまず計画通りだな。」
藤本「だな。さて、始めるか。」
俺•藤本「「童の誕生日準備だ!!!」」
童おめでとう
タオレチマッタヨ
…恋人…?
童おめでとう
タオレチマッタヨ
…恋人…?
童おめでとう!!!!!!
グリスに変身するの最高すぎるありがとうございます
ところで恋人ってなんなんだ⋯⋯